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環境に配慮した手提紙袋を販売 ハンドルに生分解性合成繊維を採用

2004.02.05
  • メディア

(2004年02月4日 旬刊 包装産業 15・16ページ より引用)

軽包装袋メーカー大手のザ・パック株式会社、バッグ用ハンドルメーカーである松浦産業株式会社と、合繊大手の株式会社クラレなど3社は、トウモロコシを原料とするポリ乳酸繊維「プラスターチ」製のペーパーバッグ用ハンドル「バイオロープ」を共同開発し、このハンドルを使用したペーパーバッグを、ザ・パックが製造し一般市販を開始した。

今回の「バイオロープ」を使ったペーパーバッグは「自然に優しいパッケージ」を推進するザ・パックと、「エコロジーマテリアル」化を進める松浦産業、「エコフレンドリー企業」を目指すクラレの共同企画によるものである。

従来のペーパーバッグは、構成する素材である原紙やインキは、再生紙、大豆インキなどエコロジー化が進んでいるが、ハンドル部分は堅牢性(色落ちのしにくさ)の点から石油を原料とする素材が主流で、廃棄時の処理、石油資源の浪費など環境問題に難があった。

今回のペーパーバッグ用ハンドル「バイオロープ」に採用された「プラスターチ」は、トウモロコシ等の植物を乳酸発酵して得られるポリ乳酸を原料とする植物の生分解性合成繊維で、ペーパーバッグ1袋分のハンドルが、トウモロコシ15粒で得られる。燃やしても有毒ガスの発生がなく、土に埋めると、土の中の微生物によって分解する。すべてが循環可能な素材で構成された新しいペーパーバッグである。

また、クラレ独自の技術を駆使し堅牢性を向上させたことで、従来のポリ乳酸繊維では難しかったマルチカラー展開が可能となり、デザイン性においても市場ニーズに対応した製品となっている。

従来のハンドル部に使用されている石油由来繊維量は、約3000t/年にも達しており、これを「バイオロープ」に置き換えて行くことを通して環境貢献したいとしている。

この「バイオロープ」を使用したペーパーバッグは、ザ・パックが運営する「ザ・パックフォレスト基金」対象商品であり、「ザ・パックフォレスト基金」は、NPO法人「地球と未来の環境基金(高橋理事長・東京赤坂)と提携し、環境対応商品の出荷額の0.5%を拠出。森林保護及び植林事業を推進している。環境対応商品を採用のユーザーと共に環境保護活動に参画するとしている。

プラスターチの概要=素材ポリ乳酸繊維。

特長・・・

  1. 植物を出発原料とするバイオマス素材・・・石油資源の浪費を防ぎ、石油資源の燃焼によるCO2の増加を抑制する。バイオマス資源は燃焼しても地球上の総炭素量を増加させないカーボンニュートラルな素材。
  2. 生分解性・・・コンポストや土中埋設させても、微生物により最終的には水と二酸化炭素に分解されゴミとして蓄積されない。
  3. 堅牢性・・・クラレ独自の紡糸技術と練り込み技術を駆使し、高発色性と高堅牢性を実現。

バイオロープ・・・

  • カラー9色
  • ターゲット・・・全市場向け
  • 価格は従来品と同等
  • 販売目標・・・(バイオロープ使用のペーパーバッグ)初年度1億円、次年度は3億円。